
岡野将太氏。知る人ぞ知る、人物!あまり表には出てきませんが、若き天才という言葉が一番しっくり来る方です。技術力はさることながら、アイディアの着眼点、達成までの構成力、どれをとっても一級品です。
あの佐藤喜義氏も、『岡野くんは、群を抜いてる』と言わしめる、彼の作品集を堪能ください。難易度の高いものもありますが、難しくないのもありますので、楽しめることと思います。特に【3.Blind】これだけでも、値段の価値のある作品です。表向きでのストップカード???
確実にレパートリーになることでしょう。
以下が詳細になります。
1.Afternoon Ace Assembly
それぞれのエースを4箇所のパッケトに振り分けますが、次の瞬間一箇所に集まっています。
エースアセンブリーの改案ですが非常に合理的に組み合わさっています。
実演するのにストレス無く出来るように工夫してあります。
2.Air
リボンスプッレトの状態からカードを返すとターゲットカードが空中から
舞い降りて来る現象です。非常にビジュアルでユニークなカード当てです。現象とアイディアに感服です。
3.Blind
フェイスアップで観客が置いていくにもかかわらずターゲットカードで
ストップしてしまいます??? 今回、一押しの作品です。
トッププロが目を丸くするシーンを何度も垣間見ました。出来れば、知る前に試されたい作品ですね!不可能な現象を可能にする演出と方法論を堪能ください。
4.Fan Peek
演者がフェイス面を見ずにズバリ言い当てます。ピークの新しい方法です。ピークとは、相手のカードを密かに盗み見る方法を言いますが、
ファンに開いた状態で気が付いた時にはピークが終わっています。
まさに使える技法!
5.Foresight Prediction
任意に選んだ2枚のカードの数字によって1枚のカードが決定します。
そのカードがもう1組のカードで予言されているのです。しかも、予言のカードのある位置まで当たっているのです。
この不思議を数理で解決しています。いわゆるセルフワーキングマジックです。しかも憶えやすく、セットしやすく工夫されています。
6.Fork
観客の2枚のカードが一瞬で、赤&黒それぞれ2枚のキングに瞬時に挟まれます。ジョンバノン氏の【ニュー・ジャック・シティー】を基にして
いますがその方法論だけでも必見です。クリスチャン・イングブルムも気が付かなかった見事な解決策があります。
7.Midtown Jacks
観客の2枚のカードが一瞬で、赤&黒それぞれ2枚のキングに瞬時に
挟まれます。現象はジョンバノン氏の【ニュー・ジャック・シティー】と一緒ですが、方法論を知る前にプロットから独自に構成したものです。
岡野氏の才能の一端を垣間見られるはずです。
8.Penny's Braid
相手が残したカードの枚数目からターゲットカードが出てきます。
非常に巧妙に出来ていて皆目見当がつかないカード当てに仕上がっています。これもセルフワーキングなのですが、カジュアルに見えて現象成立までの操作の窮屈さを感じさせません。
9.Pocket Interlaced Vanish
4枚のキングとエースのマジック。1枚キングをポケットにしまい残りエース4枚の間に交互に挟んだキングが一瞬で3枚とも消えてなくなります。消えたキングが4枚集まってポケットから出てきます。ハイテックニックを駆使しているかのような現象を比較的楽に演じられるように工夫されています。細部までこだわった作品のクオリティーと大胆な解決策は岡野氏らしい作品になっています。
10.Two For Two
予言として最初に2枚のカードを取り出しておきます。次に演者と観客で
お互い1枚ずつカードをセレクトします。その4枚はなんとすべて同じ数字のカードです。
Four of a kindでありますがノーセットで行える大胆な方法論を使用しています。疑わしいほうに仕掛けが無く、フェアな方でテクニックを使用するなどマジックのセオリーどおりですが、よく考えぬかれています。